天王岩 ドロボーカササギ 5.11a

(2020年9月5日~2021年5月4日)

5日約12便。外岩グレード更新! ROCK TOPO

天王岩

武蔵五日市駅からバスで30分弱,秋川国際マス釣場の前に天王岩がある。都心から最も近い都内の岩場,ということで,昨年(2020年)9月5日(土)にクライミングジムの仲間と訪れた。曽利郷橋バス停から徒歩2分,岩は固く安定しており,初級から中級者向けのルートが多数ある。その後,10月3日,10月24日,11月7日,11月23日,2月27日,5月4日と,合計7回訪れた。

2020年9月5日(土)

Covid-19を気にする人も多く,暫く外の岩場へ行く機会がなかったことと,台風の接近で直前まで中止の雰囲気だったことから,迂闊にも,当日の朝「決行」の連絡が来てから,クライミングシューズが無いことに気付く。フリークライミングは,クライミングシューズが無いと登れない。 

色々考えた末,同期のM君にシューズを貸してもらうことにする。8:00に最寄駅でジムの仲間3人を車でピックアップし,M君宅前で靴をうけとる。ロスタイムも殆どなく,天王岩へ向かうことができた。M君,助かりました,本当にありがとうございました。

1時間ほどで岩場へ到着し,荷物をデポして,すこし離れた十里木の駐車場に車を停めて30分ほど歩いて岩場に戻る。冒頭に書いた通り,岩場はマス釣場の前にあり,マス釣場には大きな駐車場があるのだが,その駐車場は残念ながら使えない。それゆえ,車の場合は,すこし離れた十里木の駐車場から,今回のように30分ほどかけて歩くか,十里木からバスに乗ることになる。(その後聞いた話:4年前までマス釣場の駐車場をクライマーは倍の値段,1000円で使えたんだそうです。ずっとダメなのかと思ってましたが,利用可と不可を周期8年くらいで繰り返しているらしいです。不可が4年ほど続いているので,周期的にはそろそろ使えるようになる頃かも知れません。)

天王岩は,「上の岩場」と「下の岩場」に分かれている。上の岩場の方が大きく,難易度が高い。上の岩場のクラックジョイ5.9から登り始める。

クラックジョイとドロボーカササギ(10月3日)

写真右の青いロープ沿いのルートがクラックジョイで,高度感があり,見た目も立派である(ロープとはザイルの事で,今はロープというのが普通)。その左の,赤いロープが掛かっているルートは,本稿表題のドロボーカササギ5.11aである。ここで,ルート名の後ろの5.9などの数字は,クライミングの難易度を示すグレードで,小数点以下の数字が大きいほど難しく,5.10以上は末尾にアルファベットa~dが付く。アルファベットもa~dの順に難しい。山と渓谷社の表によると,5.9はVI-級,5.11aはVII+級に対応する。

午後は,より難易度の高い,涅槃の風5.10bに取り付くが,トップアウト(終了点に到達)はできなかった。

三部作(10月3日)

写真中央のロープの垂れていない,ヌンチャク(カラビナを2つシュリンゲでつなげたもの)が掛かっているルートが涅槃の風で,高度はないが,傾斜はきつく威圧感がある。ついでに,写真左よりの青いロープのかかっているルートは蜃気楼5.10b/c(5.10c),そして,右側の白いヘルメットの人が登っているのが蝉しぐれ5.10bで,涅槃の風と,その左右の蜃気楼,蝉しぐれで3部作と呼ばれる。メンバー:hさん,$さん,Cさん,Iさん

2020年10月3日(土)

前回,帰りがけに,涅槃の風の見つけにくいホールドを常連の方に教わっていたので(2022年撮影の以下の動画の52秒参照。そのホールドに手が入るか入らないか話している),

2022年12月17日 涅槃の風RP aさん

今回は,靴も履きなれた自分の靴であり,涅槃の風は難なくレッドポイント(RP)することができた。レッドポイントとは,途中でロープにぶら下がることなく,リード(トップ)でトップアウトすることである。


涅槃の風RP

その後,1枚目の写真で紹介した,クラックジョイの左側フェイスにある,ドロボーカササギにトップロープをかけて登ってみる。しかし,核心部の縦ホールドが突破できず,トップロープにもかかわらず,トップアウトできなかった。メンバー:$さん,hさん,Iさん,Yさん。


ドロボーカササギTR

2020年10月24日(土)

この日の天気は良かったのだが,前夜の激しい雨で,狙っていた3部作の蜃気楼はびしゃびしゃで,とても取り付けそうにない。一方,ドロボーカササギはフェイスで風通しも良いので乾いている。今回も,ドロボーカササギにトップロープをかけて登ってみることにする。しかし,YouTubeで登り方を見てきたにもかかわらず,やはり核心部が突破できない。登れないと,全力を出して何とか登ろうとするので,疲れは倍加する。しかも,登れないので,爽快感はない,嫌な疲れ方をする。メンバー:$さん,hさん,Yさん夫妻,Iさん,mさん

ドロボーカササギTR mさん

2020年11月7日(土)

今回は,蜃気楼のコンディションも良く,レッドポイントすることができたが,上部のハングで迷い,動画のように,ハングを右に避けるように超えたのが心残りとなった。

蜃気楼上部エスケープ

一方,この日もドロボーカササギにトップロープをかけて登ってみるが,核心部で落ちるばかりで,あまり進展がない。 次の写真と動画は,2日目でドロボーカササギをRPしたmさん。センスが違う。。。メンバー:$さん,Iさん,Yさん,mさん,Mさん

ドロボーカササギ(mさん)
ドロボーカササギRP(mさん)動画

2020年11月23日(土)

今回から,会報編集長のO君も参加する。O君が3部作の蝉しぐれを登っているところを見て,「核心は一手」だときき,O君のビレーでリードしてみる。しかし,1クリップしてから核心の一手をとって力つきてフォールしてしまう。1クリップでのフォールなので,足がすこし地面に触れたが,O君の高い技術でキッチリ止めてもらう。このフォールで,ちょっと弱気になるが,勇気を振り絞って再挑戦し,今度は綺麗にレッドポイントすることができた。メンバー:$さん,hさん,mさん,O君,Yさん,Mさん

秋深まる(岩場へ向かう林道より)

2021年2月27日(土)

寒かった。岩が冷たくて,ガバホールド(ガバっとがっちりつかめるホールド)を何度か触ると,手の感覚がなくなり,クラックジョイの終了点に着く頃にはホールドを持っている感触が分からなくなる。

天王岩は北壁で冬は日が当たらないこともあり,昼過ぎになっても,暖かくなるどころか,増々寒くなってきたが,前々回経験済みでムーブも教わった蜃気楼を,最後のハングを右から避けずにハング直登で登り直すことはできた。これで,今回,蜃気楼のリベンジも済み,3部作を完登したことになり,天王岩の一区切りである。が,3年以上前の2017年シャックシャイン以来,外岩グレード更新できず,登り方も上手くなってない,楽に登れてない気がします。私の,クライミングのグレードのグラフはこちら。 

最後に,カチホールド(指先しかかからないホールド)なら冷たさの影響を受けにくいと聞き,カイーノ5.11aを触ってみるが,2~3手しか進めず諦める。メンバー:$さん,hさん,O君,Yさん,Mさん夫妻

2021年5月4日(火)みどりの日

3部作,蝉しぐれ,涅槃の風,蜃気楼はすべて登ってしまったので,今回は,さらに上のグレードの,毎回触り続けて,登れないドロボーカササギだけに狙いを定める。

まず,クラックジョイをリードして,左隣のドロボーカササギの終了点に移動してトップロープの支点を作り,途中の支点にヌンチャクを掛けながら下降する。

少し休んでトップロープで登ってみる。やはり上手く登れないが,最近,クライミングジムに週3日のペースで通い,体重も67kgに落としたせいか,何度もテンションをかけながらもトップアウトすることができた。1時間ほど休んで,昼食前にもう一度トップロープで登ってみる。今度は,一度もテンションをかけずに登れた。そこで,潔くトップロープを抜く。すなわち,リードするしかない状態にする。

昼食後,リードしてみるが,やはりリードだと恐怖感があるのと,支点にロープをクリップする動作が加わるので,縦ホールドの核心部を超えた後のクリップができずにフォールしてしまう。ここは,支点間の距離があるので,滑落距離は長いが,地面からは遠いので,体が壁にたたきつけられないように,壁に着地するようにうまく足を出せば,ロープの弾力がきいて衝撃自体はすくない。

フォール

その後,1時間以上休んで,体に疲れは感じるが,もう一度トライする。先ほどクリップできなかったホールドが,今回は,指がぐっとはいり,クリップに成功する。あとは,このチャンスを逃すまいと自然に力が湧いて,レッドポイントすることができた。トップロープを4日間で10便,この日2便,リード2便目(合計14便目)。

午後2便目でレッドポイント

ドロボーカササギを登れた喜びは大きい。今まで外岩の最高グレードは湯河原幕岩のシャックシャイン5.10d(菊地本では5.11a)だったのだが,それを更新して,最高グレード(日本100岩場と菊地本の両方で)5.11aが登れたことになるからだ(私の,クライミングのグレードのグラフはこちら)。グレードは,数字部分だけでテンとかイレブンなどというので,イレブンを登れたということになり,非常に嬉しいのである。メンバー:$さん,O君,Mさん,Yさん,Iさん

2022年6月18日(追記)

ムービーにはっきり映っている通り,私は始祖鳥のホールドを使って登っているので,これではドロボーカササギを登ったことにならないかも,と2022年6月18日に指摘されました。とは言え,2020年11月7日(土)のmさんも,この方も始祖鳥のホールドを使ってますね:

機会があれば,始祖鳥のホールドを使わず,直上する登り方にも挑戦して見ます。

ボルトの修復(追記)

ネットで,このフォールを止めてくれたボルトは,抜けかかっていたのを,2016年に修復されていたことを知りました。

日本フリークライミング協会 2016年5月17日【リボルト作業報告】

よかった。。。

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