資産運用について
(2025年12月30日~2026年7月12日)資産を運用のためのメモ
積立金利
$x$円を$n$年間運用して(預金して),利息が合計$d$円になったとすると,年利の平均は,利息を延べ運用額(運用額×年)で割った
\begin{align}
r=\frac{d}{x n}
\end{align}です。
これを一般化して,お金を毎月の積み立てて,$t$年後に積立金が合計$x(t)$円,利息が合計$d(t)$円,合わせて$x(t)+d(t)$円になったとします。年利の平均$r$は,やはり利息を延べ運用額(運用額を年で積分した値)で割った
\begin{align}
r=\frac{d}{\displaystyle \int_0^n x(t)dt}
\end{align}
です。
特に,毎月一定額のお金を積み立てる場合は,積分の計算をすることができ
\begin{align}
r=\frac{2 d}{x n}
\end{align}
となります。なお,毎月一定額の積み立てでなく,積み立てる金額が変動するばあいでも,この計算でほぼ近似できると思います。
債券
利率と利回り
額面$z$円,年利率(クーポンレート)$r$,残存期間$n$年の債券が$x$円で売られているとします。新発の債券の場合は残存期間$n$が償還期間です。その債券を$a$円購入したとします。$m$年後にその債券を債券市場価格$y$円で売るとします。債券の売却額は
\begin{align}\frac{y}{x} a\;円,\end{align}$m$年間の利金は\begin{align}\frac{x}{z} a r m \; 円\end{align}なので,利回り(最終利回り,YTM: Yield to Maturity)$r'$は
\begin{align}r'=\frac{\frac{y}{x}a+\frac{z}{x}arm-a}{am}=\frac{y}{mx}+\frac{rz}{x}-\frac{1}{m}\end{align}です。満期まで保有した場合の利回り$R$は,$m=n$,$y=z$なので
\begin{align}R=\frac{z}{nx}+\frac{rz}{x}-\frac{1}{n}\label{R}\end{align}です。
(例)額面$z=100$円,年利率$r=3.7\%$,残存期間$n=29.83$年(約$29$年$10$ヶ月)の国債が,単価$x=97.91$円で売られているとします。満期まで保有した場合の利回り$R$は,\eqref{R}で$n=29.83$,$z=100$とおいて,
\begin{align}R=\frac{100}{29.83\times 97.91}+\frac{0.037\times 100}{97.91}-\frac{1}{29.83}=3.85\%\end{align}となります。
価格
既発債券は,残存期間が同程度の新発債券の利率と同程度の利回りになる価格で売られています。既発債券の額面を$z$,利率を$r$,利回りを$R$とすると,債権の価格$x$は,\eqref{R}を逆に解いて,
\begin{align}x=z\frac{1+nr}{1+nR}\;円\end{align}です。
値下がりした既発債券(ディスカウント債)
値下がりした利回り$R$の既発債券は,
- 残存期間の合計利息を,購入時に一括で,税引きされずに受け取り,
- 合計利息の税金は,満期または売却時に清算する
- 既発債券の合計利息は,国民健康保険料などを計算する際の所得に合算されるので,翌年の国民健康保険料などが高くなってしまう可能性がある
- 債券市場で買うので,買いたい時に、買いたい量を、確実な価格で買えるわけではない
点です。それゆえ,もし買えるなら,新発債券ではなく値下がりした既発債券の方が圧倒的に有利ということになります。
なお,値上がりした既発債(プレミアム債)は,新発債券よりさらに購入時に利息の一部を先払いするデメリットがあると考えられます。
経過利子
既発債券を購入するときは,債券の価格$x$円だけではなく,直前の利払い日から受渡日までの利息,経過利子$d$を加えた受渡額$x+d$を支払います。次の利払い日に支払われる利息は調整されないので,このように債券購入時に経過利子として調整するようになっています。
経過利子は税引き前で計算されます。その間の税金は,既発債券を購入した人が支払うルールだからです。
(例)利払い日5月25日,11月25日,7月3日受渡の利率0.33%,時価単価91.98/100円の債券を額面100万円購入すると,受渡価格は,5月25日の翌日(5月26日)から7月3日までの日数が39日なので,小数点以下切り捨てで
\begin{align}\frac{91.98}{100}\times 1000,000 + 0.33\%\times 1000,000\times\frac{39}{365}=920,152\;円\end{align}円となります。
新発国債の経過利子
新発国債の経過利子$d$は,発行日を基準に計算します。発行日は受渡日より10日ほど遅いので,経過利子の計算でも,同じ利回りの既発債券の方が有利です。
(例)初回利払い日は9月1日,発行日4月9日,利率1.3%,時価単価100.18/100円の債券を額面100万円購入すると,受渡価格は,初回利払い日の半年前の利払い日,3月1日の翌日から4月9日までの日数が39日なので,小数点以下切り捨てで
\begin{align}\frac{100.18}{100}\times 1000,000 + 1.3\%\times 1000,000\times\frac{39}{365}=1,003,189\;円\end{align}円となります。
ロングファーストクーポン(Long First Coupon)
ロングファーストクーポンと呼ばれる新発債券は,経過利子ではなく,初回利払い時に発行日から利払日までの利息が上乗せして支払われます。債券の価格が受渡額になります。
(例)第584回東北電力株式会社無担保社債